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1. フランチャイズにおける「募集段階」の全体像を理解しよう
1-1. 0次募集・1次募集・2次募集の違いとは?
フランチャイズ本部が加盟希望者を募る際には、一般的に「0次募集」「1次募集」「2次募集」というステップを経て展開していきます。これらは、マーケティング戦略やブランドフェーズによって異なりますが、どの段階も明確な目的と意味を持っています。
0次募集 とは、正式な一般募集の前段階で行われる、いわば“先行案内”のような施策です。ブランドの初期立ち上げ時や新規事業展開時に、限られた媒体や既存ネットワークに向けて、限定的に加盟者を募ることが多いです。
一方、 1次募集 はメディア露出や広報と連動した本格的な集客フェーズであり、ポータルサイト・プレスリリース・SNS広告などを通じて広範囲に募集が始まります。そして 2次募集以降 では、初期実績を踏まえた改善型キャンペーンや、地方案件・エリア限定施策などを通じた戦略的展開が主となります。
例えば、美容系フランチャイズで注目される「リッシュネイル」では、最初の0次募集で“開業モニター枠”として数名を先行加盟させ、その結果や声をLPや説明会資料に反映させて1次募集を効果的に進めました。こうした段階を意識することで、加盟希望者への訴求精度が格段に高まるのです。
1-2. 各段階で本部が果たす役割と目的
0次募集・1次募集・2次募集というフェーズにおいて、フランチャイズ本部の果たすべき役割も段階ごとに異なります。
0次募集の目的は、テストマーケティングと信頼の構築 です。開業前・ローンチ前の状態では実績がありません。そのため、「先行加盟者の声」「研修を受けた体験談」「実働なしでも資料請求が入るかどうか」などを検証する必要があります。加えて、モニター加盟者を確保し、その活動を通して本部側も仕組みの調整が可能になります。
1次募集では、ブランド力の可視化と訴求強化が中心 になります。0次募集で得られた成功事例・数値データ・オーナーのインタビューなどを活用し、LP(ランディングページ)や資料に反映。より広範囲の見込み層に向けて「他社と比較してどう優れているのか」「本部のサポート内容はどうか」といった点を明確にしていくことが重要です。
2次募集以降は、再現性とスケールの検証フェーズ です。1次募集で得られた成果の再現性を図るとともに、よりターゲット層を絞った募集が求められます。たとえば「都市圏での実績をもとに地方展開を開始」「女性起業家向けに新LP作成」など、フェーズごとに訴求内容を変化させる必要があります。
また、0円開業を打ち出す場合でも、それがどのフェーズで有効なのかを戦略的に考えることが重要です。
こちらで、0円開業の仕組みやメリット・注意点について詳しく紹介しています。
このように、フランチャイズ募集は「一発勝負」ではなく、 複数フェーズにわけて段階的に行うべき戦略行動 なのです。どの段階でどんな訴求を行うかを緻密に設計することが、成果につながるフランチャイズ募集活動の鍵といえるでしょう。
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2. 「0次募集」とは?本格募集前の先行戦略
2-1. 0次募集の定義と活用目的
「0次募集」とは、フランチャイズ本部が 正式な募集を開始する前に実施する先行的な募集活動 のことです。一般的に1次募集や2次募集のような広報や広告を活用した本格的な集客施策とは異なり、0次募集はあくまで限定的な情報発信とテストマーケティングを目的とした施策です。
この段階では、フランチャイズモデル自体がまだ発展途上であることも多く、本部は主に以下の目的で0次募集を実施します:
・ モニター加盟者を集め、運用の実証テストを行う
・ ブランドの初期反応を確認する
・ 加盟希望者からのフィードバックを活用し、パッケージ内容をブラッシュアップする
0次募集に参加する加盟者は、割引や特別な条件での参加ができるケースが多いため、「フランチャイズに興味はあるがリスクを抑えて始めたい」という層にとっても魅力的なフェーズです。たとえば、ペット関連のフランチャイズ「アニマルワン」では、0次募集で最初の3名の加盟者に対して、開業サポート費用を完全免除とする施策を展開して成功を収めています。
2-2. なぜ0次募集が注目されているのか
近年、特に脱サラや副業解禁の動きが広がる中で、\・\・「開業前に実績がないブランドでも、信頼できるかどうかを見極めたい」\・\・という起業希望者の意識が高まっています。0次募集は、こうした層に対して「最初に情報を公開することで信頼を獲得し、関係性を築く」非常に有効な手法です。
また、0円開業モデルとの相性も良く、「初期費用0円×先行募集」という打ち出し方で注目を集めやすいのも特徴です。実際にSNSやクラウドファンディングを活用して、0次募集とブランド認知を同時に行う例も増加しています。
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3. 1次募集との違いとそれぞれのメリット・デメリット
3-1. 1次募集の特徴と0次募集との主な違い
1次募集は「正式な募集の第一弾」として位置づけられ、本部が用意したブランドロゴ、LP、動画、資料などが整備された段階でスタートします。ポータルサイトや説明会、SNS広告など幅広いチャネルを活用して、潜在層から広く見込み客を集めます。
一方で、0次募集は資料も未完成、本部体制も手探り状態であり、発信チャネルも限られます。したがって、 0次募集では“熱量の高い先行希望者”に絞って訴求する必要がある のに対し、1次募集ではマスへの訴求・実績の提示が求められます。
3-2. 段階別に適した募集方法の選び方
募集フェーズが進むにつれて、求められる施策やアプローチも変化します。
・ 0次募集 :直接声かけ、紹介、モニター参加者への呼びかけ、SNSのオーガニック投稿
・ 1次募集 :LP広告、ポータル掲載、PR記事、説明会開催
・ 2次募集 :実績データ付き広告、エリア限定募集、対象層を絞ったダイレクトアプローチ
例えば、飲食店系フランチャイズの「ラーメン魁力屋」では、0次募集でテスト開業した1店舗の成功事例を、1次募集で大々的に展開し、多数の問い合わせにつなげました。募集ステップごとの最適戦略を組み合わせることが、成功への近道となります。
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4. 0円で始めるフランチャイズ募集戦略とは?
4-1. 加盟金・初期費用ゼロで集客する仕組み
昨今では「初期費用0円」「加盟金無料」といった文言がフランチャイズの募集ページで目立つようになっています。これはフランチャイズ本部が、 「本気でやる気のある加盟者」を初期ハードルなしで集めたい という背景があるからです。
たとえば、「おたからや」では過去に「開業資金0円キャンペーン」を打ち出し、大規模な0次募集を成功させました。この場合、開業後のロイヤリティや売上分配で回収するビジネスモデルが多く、0円とはいえ本部側にもしっかり収益性があるのです。
4-2. 0円募集のメリットと注意点
メリット:
・ 開業希望者の母数が増える
・ SNSで拡散されやすい
・ モニター的な役割で実績を作れる
注意点:
・ 「安かろう悪かろう」という印象を持たれるリスク
・ 本当に0円なのか疑問を持たれやすい
・ 質の低い問い合わせが増える可能性
そのため、0円と表現する際には、\・\・「何が0円で、何が有料か」\・\・を明確に打ち出し、信頼性を高める必要があります。
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5. 募集初期に活用したい広告・メディアの選び方
5-1. フランチャイズ募集に強いポータルサイトの活用法
募集初期には、認知度の高いフランチャイズポータルサイトを活用することが重要です。代表的な媒体としては「フランチャイズの窓口」「アントレ」「ビズマッチ」などが挙げられます。
ポータルサイトの利点:
・ 信頼性があり、検討中ユーザーが多い
・ 募集要項・サポート体制・資金条件を見比べられる
・ LPを設置することで詳細訴求が可能
費用がかかる場合もありますが、0次募集では「無料枠」「成果報酬型」で掲載可能なポータルを選ぶことで、コストを抑えて募集を始めることができます。
5-2. LP・SNS・PR記事の組み合わせ戦略
初期の集客を強化するには、 広告だけに頼らず、SNS投稿やオウンドメディアの記事を組み合わせる のが効果的です。たとえば、美容フランチャイズ「ミュゼプラチナム」はSNS広告とインフルエンサー活用、さらにLP設計までセットで展開し、若年層女性を効率的に集客しました。
このように、 “広告×信頼×ストーリー”の組み合わせ が、初期の募集成功には不可欠です。
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6. フランチャイズLPを活用して0次募集を成功に導く
6-1. LPで伝えるべき3つの要素とは?
フランチャイズの0次募集で成果を出すには、限られたリソースで効率的に反応を得る必要があります。そのカギを握るのが、 LP(ランディングページ)の設計 です。通常の広告とは異なり、LPはひとつの画面の中で加盟希望者の不安や疑問を解消し、「資料請求」「説明会申込」といったアクションへ導く“営業マンの代替ツール”として機能します。
0次募集の段階では特に、「信頼感」「実績」「将来性」の3要素をバランスよく盛り込むことが重要です。
1. 信頼感 :本部のビジョンや代表者の想い、創業ストーリーなどをしっかり記載することで、「この会社は誠実にやっている」という印象を与えます。ブランドとしての認知がまだない段階だからこそ、感情に訴えるコンテンツが有効です。
2. 実績(仮) :まだ加盟店が存在しない場合でも、研修参加者の声、テストマーケティングの結果、顧客からの反響など“信頼につながる数字やコメント”を積極的に載せることが大切です。
3. 将来性 :業界トレンドや市場規模など、「今このビジネスを始めるべき理由」を提示し、「このモデルは伸びる」と思ってもらうことが、行動を起こしてもらうきっかけになります。
これらの要素を自然な流れで盛り込みつつ、スマホでも読みやすい縦長構成にし、CTA(資料請求や説明会予約)のボタンを複数配置するのが、王道のLP設計です。
6-2. 実際に成果が出たLP構成例を紹介
では実際にどんなLPが効果的だったのか、0次募集で成功した実例から学んでみましょう。
たとえば、教育系フランチャイズ「eラーニング・アカデミー」は、0次募集の段階でわずか3ページのシンプルなLPを用意しました。構成は以下の通り:
・ ファーストビュー:大きなキャッチコピー+無料資料請求ボタン
・ ブランド紹介:創業の想い・教育理念・市場背景
・ サポート紹介:研修・教材提供・収益モデルの簡単な説明
・ モニター体験談(代表者の実演講座参加者の声)
・ CTAボタン(3箇所)
このシンプルな構成でも、最初の2週間で50件以上の資料請求が発生し、説明会には20名以上が参加するという成果を上げました。重要なのは「作り込みの完成度」よりも、「読み手が安心して申し込めるかどうか」です。
また、動画の活用も有効です。実際に代表者のメッセージ動画や研修風景の映像を掲載することで、「人となり」や「現場のリアル」を視覚的に訴求でき、テキストだけでは伝わらない温度感が補完されます。
さらに、「0円開業」や「先行5名限定」などの希少性・特別感を打ち出すことで、アクション率は格段に向上します。
こちらで、0次募集や先行LP戦略の具体的な活用方法について詳しく紹介しています。
このように、0次募集を成功させるには、広告費をかけずともLPという“武器”を最大限に活かす戦略が重要です。本格的なブランド立ち上げの前に、まずは「情報設計×信頼構築」のシンプルなLPから始めてみましょう。
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7. 0次募集段階での資料・コンテンツ準備リスト
7-1. 必要最低限の資料とその構成とは
0次募集は「まだ正式なブランドローンチ前」であることが多いため、完璧な資料が揃っていなくても問題はありません。しかし、最低限用意しておくべき基本資料は存在します。ここでは、0次募集を開始する際に準備しておきたい基本コンテンツをリスト化します。
まず最重要となるのは、「簡易事業説明資料(PDF)」です。これには以下の要素を含めるとよいでしょう:
・ フランチャイズ本部のミッション・ビジョン
・ 市場背景と業界の将来性
・ 事業モデルの概要(収益モデル、初期費用、ランニングコストなど)
・ 本部のサポート体制(研修、広告支援、運営支援)
・ 0次募集での特典内容や条件
この資料は「読み手が信頼できるか判断する材料」であり、かつ「興味を持った加盟希望者が家族や知人に説明できる内容」である必要があります。文章は簡潔にし、図解・フローチャート・写真を多く用いた構成が望ましいです。
7-2. 動画・インタビュー素材の効果的な使い方
0次募集では、まだ「ブランド」としての社会的信用が確立されていないため、信頼構築に時間がかかることもあります。その信頼性を一気に高める手段のひとつが、「動画コンテンツ」の活用です。
おすすめは以下の3種類:
・ 代表者インタビュー :本部の理念や想いを語ってもらう。温度感が伝わる。
・ 研修や現場風景の映像 :どんな活動が行われるのか具体的に見せる。
・ 加盟予定者・モニターの声 :実際の声ほど強い説得力はない。
動画は3分以内にまとめ、スマホで視聴しやすいよう縦型比率に対応させましょう。YouTubeチャンネルやLP内での掲載も効果的です。
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8. 説明会や相談会を使った募集初期の信頼構築法
8-1. 募集初期におけるオンライン説明会の開催ポイント
募集開始初期には、まだブランドに対する信頼感が薄いため、対面またはオンラインでの「説明会」開催が非常に効果的です。特に、0次募集では「小規模・少人数」での開催を基本としましょう。
オンライン説明会を行う際のコツは以下の通り:
・ ZOOMなど使い慣れたツールを選定する
・ 1回30〜45分程度の構成に抑える
・ スライド資料を用意して、話す内容を視覚化する
・ 最後に質疑応答の時間を設ける
・ 開催後にアンケートフォームを配布してニーズを把握する
特に、「本部の顔が見える」ことは重要です。ビジネスの内容よりも、「この人と一緒にやりたいか」が参加者の判断材料になるケースが多いため、代表者が登壇する形式が理想です。
8-2. 個別相談を設けることで信頼感が高まる理由
グループ説明会に加えて、個別相談会を設けることは、より深い信頼関係の構築につながります。0次募集における加盟希望者は、本部との“距離の近さ”を重視する傾向が強いため、1対1でじっくり話せる時間があると安心してもらえるのです。
個別相談のメリット:
・ 希望者の状況や疑問点に合わせて柔軟な対応ができる
・ 開業希望者の本気度や相性を見極めやすい
・ 説明会では出なかった「本音」が聞ける
オンライン面談でも十分に効果があります。資料送付後1週間以内にフォローし、面談へと誘導する導線をつくるのが成功の秘訣です。
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9. 0円開業モデルで優良加盟希望者を集める方法
9-1. 無料訴求が効くターゲット層とその集客法
「0円開業」というワードは、多くの人にとって強烈なインパクトを持っています。しかし誰にでも響くわけではありません。特に効果が高いのは以下のターゲットです:
・ 脱サラ・早期退職後の再スタートを考える40代〜50代男性
・ 家庭と両立して働きたい主婦層
・ 低資金で副業を始めたい20代〜30代のサラリーマン
これらの層に向けて、Facebook広告・Google検索広告・Instagramのストーリーズ広告などを活用することで、ニーズに合った訴求が可能です。
9-2. 「無料=怪しい」を払拭する情報設計のコツ
一方で、「0円開業」というワードに対し、「怪しい」「裏があるのでは」と警戒する層も少なくありません。こうした疑念を払拭するには、以下の情報を明確に提示することが必要です。
・ 0円になる条件(例:最初の3名限定、一定の売上達成で本部が負担)
・ 開業後のコスト(ロイヤリティ、仕入れ費、運転資金など)
・ 支援内容と実績(研修制度、初期サポート体制)
たとえば「クリーニングWASH」は、0円開業を打ち出す際、詳細な料金構成やオーナーの体験談をLPに掲載することで、不信感の払拭に成功しています。
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10. 0次募集で獲得した加盟希望者を選別する基準
10-1. 本部が重視すべきオーナー候補の資質
0次募集では“数を集めること”に注力しがちですが、むしろ大切なのは「質の高いオーナー候補」を見極めることです。本部のブランド価値や今後の展開に大きく影響するからです。
選別の際に重視したいポイント:
・ 自立性:本部に依存せず、自分で考え行動できるか
・ 継続力:多少の困難でも折れずに継続できる性格か
・ ビジョン共感:ブランドの理念に共感しているか
書類選考+面談でこの3点を中心に見極めると、ミスマッチを減らせます。
10-2. 選別プロセスを通じた関係性の強化法
選考を通じて一方的にジャッジするのではなく、「この人と一緒に成長していきたい」と伝える姿勢が重要です。候補者が「選ばれるかどうか」ではなく、「本部と一緒に成長できるか」を見極める場とすることで、両者の関係性が深まり、加盟後のトラブル防止にもつながります。
また、選考のプロセス自体を「ブランド体験」として設計することも有効です。たとえば、説明会の後にグループワークや簡単な課題提出を取り入れることで、本部の雰囲気や価値観を体感してもらうことができます。
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11. 実例に学ぶ0次募集・1次募集の成功パターン
11-1. 成功した0次募集事例とその共通点
フランチャイズ本部にとって、0次募集は単なる「仮募集」ではありません。ブランドを立ち上げる前に、戦略的に加盟者を獲得し、初動を成功に導くための極めて重要なフェーズです。この0次募集をうまく活用した成功事例には、いくつかの共通点が見られます。
まず紹介したいのが、学習塾フランチャイズ「キズキ共育塾」のケースです。0次募集時点で実施したのは、「理念への共感」を重視した限定公開型の説明会。広告や派手な募集は一切行わず、既存の教育系ネットワーク内で代表者の思いとミッションに共鳴した起業家を集めたのです。結果として、わずか3か月で8名の初期加盟者を確保。全員が高いモチベーションを持ち、実際の開業後の離脱率は0%でした。
もう一つの成功事例が、無人買取店「おたからやプラス」です。こちらは0円開業モデルを打ち出したうえで、0次募集段階からYouTubeとLINEを駆使して見込み客とのコミュニケーションを開始。問い合わせからの成約率が高く、開始から半年で20店舗以上の開業に成功しています。
これらの事例に共通するのは以下の3点です:
・ 「数」よりも「質」にこだわる加盟者募集
・ 情報開示の誠実さ(リスクや費用も明確に提示)
・ 少数説明会や1対1相談の導線設計
こちらで、フランチャイズ募集で実際に成功した施策について詳しく紹介しています。
これらの工夫により、ブランドとしての信頼感を醸成しながら、有望なオーナー候補を0次募集で確保できているのです。
11-2. 1次募集で軌道に乗せたブランドの施策例
1次募集では、ブランドやモデルがある程度出来上がっている状態での展開となるため、より“広く・速く”加盟者を集める手法が用いられることが一般的です。ここで重要になるのは、「認知拡大」と「スピード感」です。
例えば、美容フランチャイズの「ラココ」は、1次募集時に全国のフリーペーパー、Instagram広告、ポータルサイトの一括掲載といったメディアミックス戦略を展開。さらに初期費用を大幅に抑えたキャンペーンを1か月限定で打ち出した結果、エステ業界未経験者を中心に大量の応募を集めることに成功しました。
一方、宅配クリーニングの「リネット」では、0次募集で得たフィードバックを基に1次募集用のLPを最適化し、申し込み率を3.6倍まで改善。募集直後の相談会予約がほぼ満席になる状態となりました。
このように、1次募集では「キャンペーン・スピード・広告設計」が鍵になりますが、根底には0次募集での実績や信頼の土台があるからこそ機能するとも言えます。
また、1次募集で成功した本部の多くは、以下の特徴を備えています:
・ 説明会開催のテンプレート化(週2〜3回開催が基本)
・ SNSや動画コンテンツで代表者の顔を出す
・ 1次募集用LPのA/Bテストを実施して最適化する
結局のところ、0次募集で得た「実践データ」や「リアルな反応」を活かすことで、1次募集をスムーズに拡大へとつなげているのです。
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12. 募集初期に起きやすい失敗とその回避法
12-1. ありがちな3つの失敗パターン
フランチャイズ本部にとって「0次募集」や「1次募集」は、ブランド立ち上げ初期の最も大事な局面です。ですが、ここでつまずく本部も少なくありません。以下に、特に多い3つの失敗パターンを紹介します。
まず1つ目は、\・\・「明確なターゲット設計ができていない」\・\・こと。誰に来てほしいのか、どんな属性・価値観を持った人を理想の加盟者とするのかが曖昧なまま、「幅広く集めよう」として情報がぼやけてしまうケースです。特に新規ブランドの場合、ターゲット像が明確でないとメッセージが刺さりません。
2つ目の失敗は、\・\・「実態のない期待だけを煽ってしまう」\・\・こと。0円開業や高収益などのキーワードを前面に出しすぎて、実態とのギャップが大きくなってしまい、契約後のミスマッチやクレームにつながるリスクが高まります。
3つ目は、\・\・「LPや資料に必要な情報が足りない」\・\・こと。加盟希望者が最も気にしているのは、費用や収益モデル、サポート体制などの“実務的な要素”です。それが不明確だと、不信感につながり、離脱率が上がってしまいます。
12-2. 初期のつまずきを防ぐための準備とは
これらの失敗を避けるには、事前の「3つの整備」が不可欠です。
まず1つ目は、 「ペルソナの設定」 。年齢・性別・家族構成・現在の職業・価値観まで細かく決めて、「この人に来てほしい」と明文化しておくことで、訴求ポイントがブレません。
2つ目は、\・\・「説明責任のある情報設計」\・\・です。表面上のキャッチコピーだけでなく、LPや説明会資料の中で「なぜこの金額でできるのか」「収益モデルはどう成り立つのか」を丁寧に解説し、希望者の信頼を得る仕組みを作ります。
そして3つ目は、 「導線設計」 。資料請求から説明会、個別相談、面談までの一連の流れがシンプルでスムーズに設計されているか、確認しておきましょう。
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13. スモールスタートから本格展開へつなげる戦略
13-1. 初期コストを抑えて信頼と実績を積み上げる方法
0次募集〜1次募集の段階では、本部側もコストやリスクを抑えながら進めたいところです。そんなときに有効なのが、\・\・「スモールスタート」\・\・の戦略です。
具体的には、最初の加盟店を“モニター加盟店”として扱い、開業費の一部を本部が補助するかわりに、継続的なフィードバックを得たり、写真・インタビュー素材として活用する方法があります。こうすることで、低コストでブランド実績を積み上げることができ、1次募集や2次募集の強力な武器になります。
また、初期は直営店のみで運営し、安定的な収益モデルを構築してからフランチャイズ展開に移るというステップも選択肢です。この場合、「FCモデルが実際に黒字を出せるか」を確かめる実験場として直営が機能します。
13-2. 1〜2次募集へのステップアップ計画
スモールスタートで得たデータや反応をもとに、次は1次募集、さらには2次募集へと拡大していくフェーズへ移ります。
このときに重要になるのが「再設計」です。0次募集で得られたフィードバックを反映させ、LPや説明会内容、サポート体制、さらには契約書の細部に至るまで見直していくことで、より高品質なフランチャイズモデルへと進化させていけます。
特に、加盟者から得られた「不安」「疑問」「改善要望」は宝の山です。それらを吸い上げてPDCAを回すことで、次の募集フェーズでの成約率は確実に向上します。
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14. 競合より早く加盟希望者を囲い込むには?
14-1. 競合比較を恐れない「選ばれる理由」の見せ方
多くのフランチャイズ本部が悩むのが、「数あるFCの中でどう選ばれるか」という問題です。特に0次・1次募集の初期段階では、知名度が乏しいため“競合負け”してしまう可能性があります。
この問題を乗り越えるためには、あえて競合との比較を前向きに行い、\・\・「うちはここが違う」\・\・という明確な優位点を打ち出す必要があります。
たとえば、以下のような打ち出し方が効果的です:
・ 他社はロイヤリティ月5万円、当社はゼロ
・ 他社は研修3日間、当社は1か月マンツーマン
・ 他社は集客自己責任、当社は広告支援あり
こうした比較軸を使うことで、加盟希望者は判断しやすくなり、選ばれやすくなるのです。
14-2. 募集段階から差をつける施策の打ち方
競合と差をつけるためのもう一つのポイントは、 スピードとレスポンスの質 です。
説明会の申込受付後、24時間以内に必ず個別返信をする、説明会当日は代表が直接話す、LINEや電話での即時対応を行うなど、 「手厚さ」を最初から感じさせる対応 が、選ばれる理由につながります。
また、LINEオープンチャットや無料ウェビナーを用いて、非公式な雰囲気で気軽に質問できる環境を作ると、競合よりも心理的なハードルが下がり、反応率が高くなります。
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15. 0次募集を起点にした持続的なブランド拡大戦略
15-1. 募集を通じたブランド力向上のポイント
フランチャイズ展開において、0次募集は「テストマーケティング」にとどまりません。 ブランドを育てるスタート地点 でもあります。
0次募集〜1次募集を通して得られるデータ(どんな言葉に反応したか、どの広告が効果的だったか)は、商品開発やブランディングそのものにも活かせます。
また、加盟者がSNSやブログで「○○を開業しました」と発信すれば、それ自体が強力な広告となり、次なる候補者への信頼感にも直結します。
15-2. 本部・加盟者双方が利益を得る仕組みづくり
長期的に安定したブランド展開を目指すなら、「加盟者にも利益が残る構造」を作ることが何よりも重要です。
たとえば、ロイヤリティを売上比例ではなく「定額制」にする、集客を一部本部で代行する、顧客レビューを蓄積してリピート率を上げるなど、\・\・“加盟者が成功しやすい設計”\・\・を意識して作り込む必要があります。
その結果、本部と加盟店がWin-Winの関係を築き、ブランド全体の将来性が高まっていくのです。
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